鉄筋コンクリート造(RC造)
木材以外を使う工法には、鉄筋コンクリート造(RC造)、鉄骨造(S造)、鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)などがあります。
鉄筋コンクリート造は、RC造ともいいます。RCは「Reinforced Concrete」で、補強されたコンクリートという意味です。鉄筋コンクリート造は、 鉄筋のまわりをコンクリートで固める工法です。
鉄筋コンクリート造の特徴
引張り力が強い鉄筋と、圧縮力が強いコンクリートを組み合わせているため、耐久性、耐震性、耐火性、遮音性に優れています。
鉄筋コンクリート造は、中高層の建物に多く見られる構造です。
重量があるので超高層ビルには不向きです。また、コンクリートが固まるのに時間がかかるため工期が長くなります。
鉄筋は空気中では錆びますが、アルカリ性のコンクリートで囲まれていると錆びません。鉄筋を守るため、建築基準法でかぶり厚さ(コンクリートの表面から一番近い鉄筋の表面までの距離)が規定されています。
梁と柱などの接合部を強固にするために、鉄筋の端を折り曲げて、コンクリートに埋め込まなければなりません。これを定着といいます。埋め込む長さも建築基準法で規定されています。
また、鉄筋コンクリート造では、表面の形状に凹凸がある異形鉄筋がよく使われます。凹凸があるのは、鉄筋とコンクリートの付着性をよくするためです。
鉄筋コンクリート造の構造
ラーメン構造
ラーメン構造は、柱と梁(はり)で建物を支える構造です。柱と梁を剛接合(溶接などで一体化)します。ラーメンはドイツ語で「フレーム」という意味です。
梁せい(梁の高さ)は、スパン(柱の間隔)の1/10が目安です。
壁構造
壁構造は、面(耐力壁や床スラブ)で建物を支える構造です。柱形や梁形は室内に現れませんが、部屋のサイズはそれほど大きくすることができません。
また、高層になると強度が保てなくなるので、5階以下とすることが国による技術的基準に定められています。
施工方法
場所打ち
現場で型枠を作って、コンクリートを打設する従来の工法です。現場ごとに型枠を作るので、複雑なデザインでも施工できます。
プレキャスト
工場で生産した部材を現場で組み立てる工法です。工場でまとめて生産するので、品質や寸法精度を高くしやすいです。現場での作業量が減るので、工期の短縮、人件費の削減ができます。また、同じ型枠を使えるので、ごみを減らすことができます。
プレストレスコンクリート
プレストレスコンクリートはPrestressed Concreteで、Pre=あらかじめ、stressed=圧力を与えられた、Concrete=コンクリートです。
コンクリートは引張強度が小さいので、その弱点を補うために、PC鋼(高強度の鋼線)を用いて、あらかじめコンクリートに圧縮力を与えておきます。そうすると、外から引っ張る力が働いても、ひび割れを制御することができます。
曲げの力に対する抵抗性が高いので、橋梁などの大スパン用の部材に用いることができます。