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インテリアコーディネーター試験【住宅のバリアフリー①】

1次試験
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インテリアコーディネーターの1次試験で、バリアフリーに関する問題がよく出題されます。

バリアフリー住宅は、高齢者や障がいのある方が、生活するうえで不便な障壁(バリア)を取り除いた(フリー)、安心・安全で快適に過ごせるように考えられた住宅です。

段差をなくしたり、手すりを付けたり、滑りにくい素材を使ったりすることで、家の中で転倒してケガをする可能性を減らすことができます。これは高齢者や障がいのある方だけでなく、家族全員にとっても当てはまることです。このような、すべての人を対象としたデザインをユニバーサルデザインといいます。

1次試験の勉強のときに、バリアフリーの知識を増やしておくと、2次試験の論文でとても役立ちます。

論文の出題テーマが「高齢者のための…」なら、バリアフリーについて覚えていることを書けばいいですし、直接関係がないテーマだったとしても、「将来(高齢期)を見据えて〇〇を考慮に入れて□□を提案する」など、なんとか論文のテーマにバリアフリーを関連付けて、原稿用紙のマスを埋めることができるかもしれません。

しかくしか
しかくしか

バリアフリーは1次試験でも2次試験でも重要だね

廊下・通路のバリアフリー

車いすが通れる幅

車いすの寸法は、JIS規格で最大値が決められています。

全長:1200mm 全幅:700mm 全高:1090mm

在来工法による木造住宅では、廊下は3尺(910mm)でつくられることが多いです(尺貫法)。

その場合、柱の間隔が910mmになり、その間に壁材や壁紙などを取り付けていくので、廊下の有効幅は約780mmになります。

750mm以上の幅があれば人が一人で通行できますが、車いすが通るには、850mm以上の幅が必要になります。

また、車いすで角を曲がるときは850~900mmの幅が必要になり、方向転換するときは1500mm以上の幅が必要になります。

車いすの車輪やフットレストが、壁に当たって傷つくのを防ぐために、キックプレート(幅木状の建築部材)を壁に取り付けておくとよいです。

車いすを使用する場合は、滑りやすい床材、方向転換しにくい畳、毛足の長いカーペットは適していません。

摩擦が少なく、キズが付きにくく、耐久性があり、掃除がしやすい床材を選びます。表面の硬度が高いフローリング、クッションフロア、コルクタイルなどが、向いています。

カーペットにする場合は、カットタイプのプラッシュ(パイル長さ5~10mmにカットしたカーペット)にします。

廊下の手すり

転倒を防止するための手すりを、必要な場所に設置します。

一般的に、手すりは床仕上げ面から、750~800mmの高さに設置します。

実際は、利用する方の身長によって、手すりの高さが変わってくるので、利用する方が使いやすい高さに設置します。

衣服の袖やポケットが引っかからないように、手すりの端は壁側か下向きに曲げます。

手すりの直径は、一般的に28~35mmです。手すりの直径も利用する方に確認して、握りやすいものを選ぶとよいです。

階段のバリアフリー

階段の勾配

階段の勾配は建築基準法で最低限の値(蹴上けあげ:23cm以下、踏面ふみづら:15cm以上)が決められています。

建築基準法についてはこちらをごらんください。

建築基準法の数値の階段は、勾配が約57°になり、急だと感じます。

蹴上げを小さくして、踏面を広くし過ぎると、階段の段数が増えて、逆に使いにくくなります。

高齢者などが使いやすい階段の勾配については、「住宅性能表示基準」にバリアフリー性に関する基準として示されています。(T:踏面、R:蹴上げ)

基本レベル550mm≦T+2R≦650mm 勾配 ≦ 22/21(約46°) T ≧ 195mm
推奨レベル550mm≦T+2R≦650mm 勾配 ≦6 /7(約40°)

階段の手すり

建築基準法で、高さ1mを超える階段には手すりの設置が義務付けられています。

手すりを片側に設置する場合は、降りるときに利き手になる側に取り付けます。

階段の勾配が45°を超える場合は、両側に手すりを取り付けるとより安全です。

手すりの高さの目安は、一般的に踏面の先端から750~850mmです。高齢者向けの場合は、少し低めの750mm程度とされています。

階段の形状

【直線階段】
同じテンポで昇り降りでき、方向転換が必要ないので、転落しにくいです。しかし、転落した際は一気に下まで落ちてしまいます。

【踊り場付き階段・吹き寄せ階段】
方向転換しながら昇り降りしなければなりませんが、転落した際、途中の踊り場で止ることができます。

【従来の回り階段】
階段の内側では踏面が狭くなり、踏み外す危険があります。

蹴込み寸法

つまずきや落下を防ぐため、蹴込みは30mm以内にして、蹴込み板を設置します。

階段の踏面の先の部分を、段鼻(だんばな)といいます。段鼻が出ていると、つま先が引っかかる危険があるので、段鼻は出さないようにします。

段鼻にノンスリップ(すべり止め)を設置する場合は、踏面と段差がないようにします。

ノンスリップにはゴム製や樹脂製のもの、直接溝を掘りつけるものがあります。

バリアフリー基準では、5mm以内は段差なしとみなされるので、ノンスリップの出寸法は5mm以内にします。

階段を降りる際、段鼻踏面の境界が見分けにくくなるので、認知しやすいように、コントラスト比を高めるなどの対策も必要です。

階段の照明

段差が見えずに転倒することがないように、階段の上下階で点灯できるよう3路スイッチや、足元を照らす人感センサー付きのフットライトを設置します。

【住宅のバリアフリー②】(玄関、浴室・洗面所、トイレ、キッチン)はこちらをご覧ください

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