金属材料
金属材料は、鉄鋼材料と非鉄金属材料に分けられます。
鉄鋼材料
スチール(鋼)
純度100%の鉄はもろく、加工が難しいです。鉄に炭素を加えて、強度などを高めたものを、スチール(鋼)といいます。
スチールはさびやすいので、屋外で使用するときは、防せい加工(表面塗装やメッキ処理)が必要になります。 表面塗装はメラミン焼付け塗装や粉体塗装、メッキ処理はクロムメッキがよくされます。
マルセル・ブロイヤーの「ワシリーチェア」は世界初のスチールパイプのイスです。
ハリー・ベルトイアの「ダイヤモンドチェア」はスチールワイヤーでできています。
ステンレス
ステンレスは、スチール(鋼)にクロムやニッケルなどを含有させた合金です。
耐熱性、耐久性があり、さびにくい金属です。
含有させる材料(クロムやニッケルなど)の割合によって、さまざまな種類のステンレスができます。
そのなかで代表的なステンレスは、SUS304(18-8:クロム18%、ニッケル8%)で、工業用品から家庭用品まで幅広く使用されています。
家具では、イスやテーブルの脚、キッチンのシンクやワークトップなどに使われます。
電気伝導率が低く(熱を伝えにくい)のでお湯が冷めにくく、耐久性も高いので浴槽にも使われています。
非鉄金属材料
アルミニウム
アルミニウムはとても軽い金属です。
純度100%のアルミニウムは強度が弱いので、銅やマンガンなどを加えて、合金として利用します。
アルミニウム合金には、展伸材と鋳物(いもの)があり、用途に応じて最適なアルミニウム合金が使われます。
家具では、テーブルのエッジ(縁材)や、イスのフレームなどに使われます。
エーロ・サーリネンの「チューリップチェア」の脚部や、ハンス・コーレイの「ランディチェア」などに使われています。
アルミニウムは表面に薄い酸化被膜を作るので、さびにくいです。しかし、この酸化被膜は薄くて弱いので、アルマイト加工を施して強い膜を作ります。
真鍮(しんちゅう)
真鍮は、銅に亜鉛を加えて作ります。黄銅(おうどう)・ブラスともいいます。5円玉の材料です。
家具の取っ手や金物などに使われます。