インテリア計画で考慮しなければいけない寸法には、「人体寸法」「動作寸法」「動作空間」「単位空間」があります。
人体寸法については【人間工学②~人体の質量・寸法~】をご覧ください。
動作寸法
動作寸法とは、人が体を動かしたときに必要なスペースで、作業域(動作域)といいます。
作業域には「水平作業域」「垂直作業域」「立体作業域」があります。
水平作業域
水平作業域とは、机や作業台などの水平方向で、手の届く範囲のことをいいます。
軽くひじを曲げた状態で届く範囲のことを通常作業域、思いっきり腕を伸ばして届く範囲を最大作業域といいます。
垂直作業域
垂直作業域とは、垂直方向で、手の届く範囲のことをいいます。通常作業域と最大作業域があります。
立体作業域
立体作業域とは、水平作業域と垂直作業域を組み合わせたものです。通常作業域と最大作業域があります。
作業点
作業点とは、作業するときに使う道具と手が接する点のことです。
立った状態で作業する場合、筋活動やエネルギー代謝の面から評価すると、身長170cm程度の人なら、ひじ辺りの高さ(90~80cm)、体からの距離が30cm以内が適切な作業点です。
作業点は基準になるものなので、作業の種類によって最適な作業点が異なります。例えば、力がいる作業のときは、作業台を低くすると、力をこめやすくなります。
また、調理台の場合、まな板の厚みを考慮して、5cmほど低くします。
作業点と動作寸法によって、キッチンなどのサイズが決まります。
キッチンの場合、まな板で野菜を切っているときと、シンクで洗い物をしているときでは、作業点の位置が異なります。そこで、作業時間が長い調理台での作業を基準として、作業点を決めます。
JIS(日本工業規格)で、ワークトップ(調理台の上の天板)の高さが定められています。
ワークトップの高さ:80cm・85cm・90cm・95cm
ワークトップの高さは使う人の身長により、最適なものを選びます。
一般的に、身長160cmの人が使用する場合は、85cmに設定すると作業がしやすいです。
動作空間
動作空間とは、動作寸法と家具の寸法に、作業に必要なゆとりを加えた空間です。
家具を配置する際、無理のない動きで作業をできるように、あきやゆとりを考えます。
例えば、顔を洗うときの動作空間は、一般的に幅70cm、奥行110cm程度必要です。
ある動作をするのに、必要最低限のあきしかない空間を、最小空間といいます。
単位空間
単位空間とは、一連の生活行為をするために、複数の動作空間が集まった空間です。
例えば、子供部屋なら、机で勉強する・本棚に本を出し入れする・クローゼットに服を出し入れする・ベッドで寝る・ドアを開け閉めするなどの動作空間が組み合わされて、1つの空間になります。