人間工学(エルゴノミクス)に基づいて、椅子や机などの家具を選ぶと、安全で疲れにくく、使い勝手がよくなります。
4つの基本姿勢
立位姿勢
立った姿勢(直立、前かがみ、中腰など)
椅座位姿勢
椅子に座った姿勢、壁などに寄りかかった姿勢など
平座位姿勢
床に腰を下ろした姿勢、四つん這い、正座など
臥位(がい)姿勢
寝た姿勢
・仰臥位(ぎょうがい):仰向け(あおむけ)に寝た状態
・側臥位(そくがい):横向きに寝た状態
・腹臥位(ふくがい):うつぶせに寝た状態
人体の質量
椅子やベットのマットレスなどを選ぶとき、人体の各部位にどれくらいの質量がかかるかを考えることは大切です。
成人の場合、重心は身長の55~57%の高さにあります。身長の中心よりも少し上です。
屋上や2階以上のバルコニーの手すりは、成人の重心を上回る1.1m以上の高さが必要となります。建築基準法の手すりについてはこちらをごらんください
頭部は、体重の約8%です。
背もたれのない椅子に座ったとき、椅子の座面には全体重の約85%の質量がかかります。背もたれは、姿勢を安定させて、腰部の負担を軽減する役割があります。
仰向けに寝たときは、腰には全体重の約44%の質量がかかります。
人体寸法の略算値
人体の各部位の長さ・高さ寸法は、身長(H)とほぼ比例的な関係にあります。
最適な家具を選択するためには、人体寸法の知識が必要になります。
【身長】H
【眼高(がんこう)】0.9H
床面から眼までの長さ
【肩峰高(けんぽうこう)】0.8H
床面から肩までの長さ
【指先点高(しせんてんこう)】0.4H
床面から指先までの長さ
【指極(しきょく)】H
両手を左右に広げたときの長さ
【肩幅】0.25H
1人用のマットレスの幅の目安…
寝返りを考慮して肩幅の約2.5倍
【下腿高(かたいこう)】0.25H
床面から膝までの長さ
椅子の座面高の目安。最適な高さは、「下腿高-1cm」とされています。
【机面高(きめんこう)】0.4H
床面から机の上面までの長さ
机やテーブルの作業面(机面)と椅子の座面(座位基準点)との差を差尺(さじゃく)といいます。
差尺は270mm~300mmが最適です。
【座高】0.55H
【上肢挙上高(じょうしきょじょうこう)】1.2H
腕を軽く上に挙げたときの床面からの長さ
人が普通に使える収納の高さの目安
丸覚えは大変だね。
自分の体の寸法を測ってみると、覚えやすくなるかも。
過去問では、「椅子の座面高は下腿高とほぼ同じで、身長の約1/4」という問題が出題されました。
少数ではなく分数で出題されましたが、「1/4」と「0.25」は同じなので、覚えた数字が選択肢になくても慌てないでくださいね。