電気の基礎を勉強しよう
直流と交流
電気には直流と交流があります。
直流
直流(DC:Direct Current)は、電流・電圧が常に一定な電気です。乾電池が代表例です。乾電池のプラスとマイナスを逆にすると作動しないのは、一方向にしか電気が流れないからです。太陽光発電で作られる電気も直流です。
交流
交流(AC:Alternating Current)は、電流の向きや電圧が一定周期で変化する電気です。交流は変圧器(トランス)で電圧を変えることができます。
パソコンやスマホを充電するときに使うACアダプター(充電器と呼んでいるもの)は、交流を直流に変換する機器です。多くの電気製品の内部回路は交流のままでは使えないので、アダプターや製品内部で直流に変換しています。また、電気機器によって作動する電圧がそれぞれ異なるので、必要に応じて電圧を変換して使用します。
発電所で作られる電気は超高電圧の交流です。低い電圧より高い電圧で送電した方が、送電の途中で逃げる電気が少なくなって、ロスが減ります。
発電所からの電気の流れを見てみよう
電気の流れ
発電所で作られた超高電圧の電気は、変電所に送られて徐々に電圧を下げていきます。
電柱から引込線で家庭に電気を引き込み、電力量計(メーター)を通して、屋内の分電盤に送られます。分電盤を通じて、各部屋に電気を送ります。
柱上変圧器
町中にある電線には6600Vの電気が流れています。電柱にある柱上変圧器とよばれる変圧器(トランス)で100V・200Vに下げて、家庭に電気を送ります。
3本で配電する単相3線式については、こちらをご覧ください。
電力量計
電力量計は電気の使用量を計るための機器です。電力メーターやメーターとも呼ばれます。
今までのアナログ型の電力量計は、検針員が月に一度、データを読み取っていました。最近は、デジタルで測定して、使用量をデータ送信するスマートメーターが増えてきました。
分電盤
分電盤は、アンペアブレーカー、漏電遮断器、配線用遮断器をおさめた箱で、各部屋に電気を送ります。
標準的な仕様のほかに太陽光発電対応やオール電化対応などの高機能タイプもあります。
分電盤は、美観上人目につきにくいが、保守点検のしやすい場所で、できる限り、負荷の中心の近くに設けます。これは停電したときに操作しやすい場所で、電気をたくさん使用するところの近くに分電盤を設置しようということです。
アンペアブレーカーは、契約しているアンペア数以上の電気を使うと自動的に電気を止める装置です。スマートメーターにはアンペアブレーカーが内蔵されているものもあります。
漏電遮断器は、漏電を検知したときに、すばやく回線を遮断する装置です。
配線用遮断器は、部屋別や用途別に整理区分された分岐回路のそれぞれに取り付けられていて、電気の使い過ぎやショートした場合、素早く電気を止めて事故を防ぎます。
引込み点から屋内の分電盤までの太い電路を幹線といいます。幹線から枝分かれして、配線用遮断器から末端器具までの細い電路を分岐回路といいます。
電力量計と分電盤の記号
電力は、単位時間に電気器具等により消費される電気エネルギーです。
電力量は、電力を消費した量なので、「電力×時間」で求めます。
電力量(Wh) = 電力P(W) × 時間t(h)
電線
電線は種類がたくさんあります。すべてを覚えるのは大変なので、とりあえず、過去に出題されたものを確認しておきましょう。
絶縁電線
絶縁電線は、銅などの導体(電気を通す物質)を絶縁体(電気を通さない物質)で覆ったものです。
ケーブル
ケーブルは絶縁電線をシースで覆っています。シースはケーブルの一番外側の被膜で、絶縁電線を保護する役割があります。
導体をビニルの絶縁体(Vinyl insulated)で覆って、ビニルのシース(Vinyl sheathed)でカバーされたケーブルをVVケーブルといいます。ビニルはビニールのことです。
VVケーブルのうち、平形(Flat-type)のものをVVFケーブルといいます。VVFケーブルは住宅などの屋内配線で多く使われています。
コード
コードは、可とう性(曲げられる性質)があり、小型電化製品の電源コードなどに使われています。
聞きなれない言葉が多いけど、家の電力量計や分電盤を見ながら覚えると、記憶に残りやすいかも!