カーペットを覚えよう
カーペットのパイルの形状
カーペットの毛をパイルといいます。
パイルの表面の形状には主に、「カットタイプ」「ループタイプ」「カット&ループタイプ」があります。
カットタイプ
カットタイプは、パイルの先端をカットしてまっすぐにしたものです。クッション性がよく、ふんわりした感触になります。毛足を生かしたデザインや色合いが特徴です。
カットタイプには「プラッシュ」「サキソニー」「シャギー」「ベロア」「ハードツイスト」などがあります。
プラッシュ
カットタイプで、毛足が短い(毛足の長さが5~10㎜程度)ものをプラッシュといいます。
サキソニー
カットタイプで、毛足が15㎜程度で撚り糸(よりいと=ねじれた糸)に熱を加え、密に打ち込んで撚りが戻らないようにしたものをサキソニーといいます。ふかふかした感触になります。
【カットタイプのプラッシュとサキソニーの覚え方】
カットタイプには、ほかに、パイルの長さが25mm以上のシャギー、パイルの密度が高いベロア、ひねりをかけたツイストなどがあります。
ループタイプ
ループタイプは、パイルがループ状になっています。耐久性や歩行性がよいです。
ループタイプには「レベルループ」「ハイ&ローループ」などがあります。
レベルループ
ループタイプで、ループの高さが揃っているものを、レベルループといいます。
ハイ&ローループ
ループタイプで、パイルに高低差をつけたり、パイル糸の太さに変化をつけるなど、立体感を出したものを、ハイ&ローループといいます。
カット&ループタイプ
カットタイプとループタイプを組み合わせたものです。
カット&ループタイプには、「レベルカット&ループ」「ハイカット&ローループ」などがあります。
- レベルカット&ループ
レベルループの一部をカットしたものです。
- ハイカット&ローループ
カット部分が長く、ループ部分が短くなっています。立体感があり、模様がくっきりします。
カーペットの製造方法
カーペットの製造方法には手織り・機械織り、刺繍、編物、接着、圧縮など様々なものがあり、すべて覚えるのは大変です。
インテリアコーディネーター試験で、出題される可能性が高いものを覚えましょう。
緞通(だんつう)
手織りの高級な敷物です。単位面積あたりのパイル糸の結び目が多いほど高級品で、結び方は生産地によって異なる場合があります。
ウィルトン・カーペット
代表的な機械織りのカーペットです。経糸(たて糸)と緯糸(よこ糸)とパイル糸を2~5色使って織ってきます。パイル形状は、「カット」「ループ」「カート&ループ」です。
アキスミンスター・カーペット
ウィルトンと同じ製法で、多色使いが可能です。パイル形状は「カット」のみです。高級なカーペットでホテルなどで使われます。
- グリッパー・アキスミンスター:8~12色
- スプール・アキスミンスター:色は無制限
ダブルフェイス・カーペット
ウィルトンと同じ製法で、上下2枚を同時に編み、中央でパイルをカットするので、左右逆柄のカーペットが同時にでき上ります。フェイス・トゥ・フェイスとも呼ばれます。
日本カーペット工業組合(JCM)のyoutube公式チャンネルに「織りじゅうたん バーチャル工場見学」があります。この動画を見ると、「ウィルトン」と「アキスミンスター」と「ダブルフェイス」の製造工程がよく分かります。
タフテッド・カーペット
タフテッド・カーペットは、最も普及しているカーペットです。刺繍のように、基布にミシン針でパイル糸を刺し込んでいき、糸がほつれないようにラテックスゴム(接着剤)で固定します。
タフテッド・カーペットはアメリカで開発され、生産効率がウィルトンの30倍で、大量生産が可能です。
フックドラグ・カーペット
タフテッド・カーペットと同じの製法で、手工芸的な要素を加えたものです。
【刺繍カーペットのタフテッドとフックドラグの覚え方】
ニードルパンチ・カーペット
ニードルパンチは繊維を圧縮して、フェルト状にするので、表面はフラットになります。カッティングが自由で施工が容易です。