鉄骨造(S造)の特徴
鉄骨造は、鋼構造やS造ともいいます。Sは「steel」でスチール(鋼)です。
鉄骨造(S造)は、 鉄筋コンクリート造(RC造)より軽量で、強度と弾性があるので、大型の建築物に向いています。
鉄筋コンクリート造(RC造)は現場でコンクリートを固めるので、仕上がりが一定になりにくいですが、鉄骨造(S造)は工場で鋼材を生産するので、信頼性が高いです。 リサイクルが比較的容易なことも長所のひとつです。
短所は、錆びやすいことで、防錆処理が必要です。
鉄骨などの金属は熱伝導率が大きいため、外気と室内の熱を伝えやすくなります。外壁と内壁の間にある柱が熱を伝える現象を熱橋(ヒートブリッジ)といいます。このように局所的に熱を伝えやすい部分は断熱上の弱点となるので、外壁などで対策を取らなければなりません。
また、鋼材は火災などで加熱されると耐力が減少し、一般的に500℃を超えると耐力は半減します。そのため、耐火対策が必要です。鉄骨造の柱の耐火被覆には、ロックウールを吹き付けたり、軽量気泡コンクリートパネル(ALCパネル)やケイ酸カルシウム板を付ける方法があります。
鉄骨造の構造
鉄骨造の構造には、主なものとして、ラーメン構造やトラス構造があります。
ラーメン構造
ラーメン構造は、柱と梁(はり)を剛接合(溶接など一体化)している構造です。木造で使う筋交いにあたる部分をブレースといいます。
鋼材を接合する方法として、高力ボルト(ハイテンションボルト)や溶接が使われます。高力ボルトは普通ボルトより、高い強度と引張り力があります。
トラス構造
トラス構造は、三角形を組み合わせた構造です。ボルトやピンなどで結合します 。軽くて丈夫な形です。
鉄骨造の鋼材
鋼材にはさまざまな形のものがあります。
断面がH形やC形などに成型されたものを形鋼(かたこう)、管形をしたものを鋼管(こうかん)といいます。
リップみぞ形鋼など、厚さ6mm以下の薄い鋼材を折り曲げたものを、軽量形鋼(軽量鉄骨・ライトゲージ・LGS)といいます。
床には、縞(しま)鋼板、デッキプレート、キーストンプレートなどが使われます。