住宅関連の業界で働いていると、測量の知識が必要になる場合があります。
測量士補の勉強はインテリアコーディネーター試験に直接は役立ちませんが、建築関係のお仕事をする場合、測量の知識が必要になってきます。
また、測量士補取得者は土地家屋調査士試験の午前の試験が免除されるので、不動産系の方がスキルアップするのに、おすすめの資格です。
そこで、今回は測量士補について解説します。
測量士補とは
そもそも測量ってなに?
測量とは距離・角度・高低差を測り、地図を作成技術です。土地の形や面積・境界を求める事にも活用されます。
測量に関する資格は測量士と測量士補があります。どちらも測量法に基づく国家資格です。
測量士は「測量計画」というものを作成でき、測量士補はその測量計画の指示に従って測量業務を行います。測量士は測量士補の上位資格です。
国家資格ってかっこいいよね。
測量士補の試験は択一式で28問出題されます。
測量士は午前択一式、午後記述式なので、初心者はまずは測量士補から取得するのがいいと思います。
【令和4年 測量士補試験】
- 受験資格:年令、性別、学歴、実務経験等に関係なく受験できます
- 試験日:令和4年5月15日(日)
- 試験料:2,850円
- 願書受付期間:令和4年1月5日(水)から1月28日(金)
※令和4年測量士補試験の受験願書受付は終了しました。
難易度
私は平成31年に測量士補を受験して合格しました。
測量士補の難易度はそれほど高くありません。ただし、三角関数や標準偏差などの高校数学の知識があることが条件です。数学が苦手な方にとっては大変な試験だと思います。
測量士補試験は28問あり、そのうち計算問題は12~13問あります。
サイン・コサイン・タンジェントって何の役に立つんだろうって思っていたけど、測量の計算で使うんだね。
正弦定理、余弦定理、ヘロンの公式…こういうのを高校の時に習ったと思うのですが、覚えていますか?
相似・比例に関する知識も必要です。
また、測量士補の試験では電卓は使えません。計算は全て筆算になります。問題用紙の最後のページに関数表(平方根・三角関数)が載っているので、そこから必要な数字を拾ってきて、筆算で答えを導き出さなければなりません。
私はこの筆算に苦労しました。角度の「度分秒」の計算は『60』で繰り上がります。答えが合わないと思って計算を見直したら、普通に『100』で繰り上げている…ということが何度もありました。
計算の方法は正しいのに、計算ミスのせいで正しい答えが得られないということがよくあるので、普段から注意深く計算するクセをつけないといけません。
三角関数や角度の計算に抵抗がない方は、独学で問題ないと思います。数学が苦手な方はスクールに通う方が効率よく勉強できると思います。
勉強方法
計算問題の過去問を見て、「解けそうだな」とか「解説を読んだら分かる」と思えたら、独学で大丈夫です。計算問題は過去問を繰り返し解いて、出題のパターンを身に付けてください。
測量士補試験では計算問題以外に、「測量に関する法規」や「様々な測量に関する内容」についても出題されます。こちらも過去問を解いていると出題の傾向が見えてきます。
ただ、測量に関する知識がないと、過去問の解説だけでは分からないことがあるので、写真や図が多く掲載されているテキストを用意するようにしてください。
また、勉強する優先順位が分かるように、重要度を3段階で表示されているテキストだと効率よく勉強できると思います。
ちなみに、私は筆算は苦手ですが、高校の数学は好きでした。私の場合、1ヶ月くらい計算問題をやって、最後の1週間で法規や測量に関する知識を詰め込みました。
測量士補の試験問題には、実務をやっていないと理解が難しいものもありました。たとえば、トータルステーション(測量に用いる機械)の使い方など。
その場合、どうしても分からない問題はあきらめて、確実に正解できる問題を増やしましょう。
測量士補は百点満点を目指さなくても大丈夫です。約65%の正解で合格できます。(700満点中450点以上で合格です)
申込方法
※令和4年測量士補試験の受験願書受付は1月28日(金)をもって終了しました。
最近は、試験の申込から試験料の支払いまでインターネットで済むシステムが増えてきましたが、測量士補は少し手間がかかります。
まず、願書を入手します。
次に、願書を記入します。その時に収入印紙と証明写真と切手が必要になります。
そして、願書を郵送します。
郵送の場合は、令和4年1月28日(金)までの消印があるものが有効です。後納郵便、別納郵便の場合は、令和4年1月28日(金)までに必着です。
受付期間ギリギリに試験を受けたいと思っても間に合わない可能性があります。申し込みはできるだけ早めに済ませておいてください。
まとめ
測量士補の試験は数学に抵抗がなければ、独学でも合格が可能です。
測量士補の試験は5月、インテリアコーディネーターの試験は10月ですので、両方の資格を同じ年に取得することも可能です。
建築や不動産関連のお仕事をされている方にとっては、測量の知識を身に付ければスキルアップにつながるので、興味があればぜひ両方の資格を狙ってください。