インテリアコーディネーター試験では、建築やインテリアの歴史についても問われます。試験で出題される建築物の中には世界遺産に登録されているものもあります。私はインテリアコーディネーター試験の勉強がきっかけで、世界遺産検定に興味を持つようになりました。
そこで、世界遺産検定の日程や受検方法、難易度、過去問についてまとめました。
世界遺産検定とは
世界遺産検定は、人類共通の財産・宝物である世界遺産を通して、国際的な教養を身に付け、持続可能な社会の発展に寄与する人材の育成を目指した検定です。
NPO法人 世界遺産アカデミー
世界遺産検定は4級、3級、2級、1級、マイスターの5段階あります。だれでも受検できて、そのなかで一番上の級は2級になります。
2級と3級の出題範囲と合格率は以下の通りです。
出題対象となる世界遺産 | 合格率 第39回(’20年2月) | |
2級 | 日本の全遺産 + 世界の代表的な遺産300件 | 61.2% |
3級 | 日本の全遺産 + 世界の代表的な遺産100件 | 79.3 % |
2級の合格率はそれほど低くないので、2級から受検してもよいのではないかと思います。
受検方法・受検料・日程
世界遺産検定2級の受検方法には、公開会場試験とCBT試験があります。
公開会場試験は従来どおりの紙の試験で、CBT試験はコンピューターを使って受検する試験のことをいいます。
公開会場試験とCBT試験どちら受検したとしても、合格すれば同じ資格をもらうことができます。
公開会場試験とCBT試験は受験料が異なります。
CBT試験の方が受検料は高いですが、私の場合、公開会場試験の受検会場の大学まで遠いので、交通費を考えれば、近所でCBT試験を受ける方が費用は安くなります。
CBT受検会場は全国約280カ所あり、自宅の近くでも職場の近くでも受検することが可能です。
そして、CBT試験の一番のメリットは、受検日の4日前まで申込が可能なことです。申込はインターネットから行います。
世界遺産検定2級のCBT試験は年に4回(3月、7月、9月、12月)、各15日間実施されます。申込は3ヶ月以上前から始まり、受検最終日の4日前までです。
勉強の進み具合を見て、直前に受検日を決めることができます。しかし、検定期間が始まると、一気に申込が増えて、会場の席がどんどん埋まっていきます。都市部では何ヵ所も会場がありますが、地方だと会場の数が少ない県もあるので、空き状況には注意が必要です。受検日が決まれば、早めに申込を済ませてください。
CBT試験の受け方はこちらをごらんください
難易度・過去問
世界遺産検定2級を受験する場合、まずは公式テキストを手に入れてください。世界遺産リストや危機遺産リスト、日本の暫定リストは毎年変動するので、ぜひ、最新のものを購入してください。
最初、私はテキストを見て、「こんなの覚えられない」と思ってしまいました。
世界史をちゃんと勉強していないので、「○○朝」とか「○○族」とか「○○人」とか…見たことも聞いたこともない言葉が多くてショックを受けました。世界史が分からないと、世界遺産検定2級は厳しいかなと思いましたが、世界遺産検定2級の配点比率を見てみると
基礎知識 | 日本の遺産 | 世界の自然遺産 | 世界の文化遺産 | その他 |
20% | 25% | 10% | 35% | 10% |
「基礎知識」と「日本の遺産」から45%が出題されいるので、ここで点を稼げば、なんとかなるようです。
「基礎知識」と「日本の遺産」はテキストの1/4程度しかありません。しかも、「基礎知識」の部分は、世界遺産検定の公式サイトに解説動画「学習アシスト動画-2級(前編35分、後編32分)」が用意されているので、この動画を見てから、テキストを読めば理解が深まります。
そして、過去問も必要です。
出題傾向が変わることがあるので、過去問も最新のものを用意してください。
「基礎知識」と「日本の遺産」をある程度勉強した後に、過去問を解いて採点すると、正解率は60%になりました。しかし、こんな合格ギリギリのラインでは本番が心配です。
あとは、どれだけ「世界の代表的な遺産」を覚えられるかにかかっています。
過去問でよく出題される「世界の代表的な遺産」から覚えていこうと思い、過去問を解くごとに、出題された「世界の代表的な遺産」のページにふせんを貼るようにしました。するとテキストの8割ぐらいのページにふせんを貼る結果になりました。
「最初の世界遺産」は12件あるのですが、これはよく出題されます。それ以外はテキストからまんべんなく出題されるようです。
まとめ
世界遺産検定2級をCBT試験で受ける場合、会場の席に空きがあれば、検定日の4日前まで申込ができます。申込はインターネットから可能です。
世界遺産に関する知識がある程度あるだけでは合格は難しいので、しっかり準備する必要があります。とくに「基礎知識」と「日本の遺産」は、テキストを繰り返し読んで、過去問を何度も解いて、本番の試験では、満点に近い点が取れるようにしたいです。
世界史の知識がないと「世界の代表的な遺産」は覚えるのが大変です。その場合、3級から受検するのもよいかと思います。
世界遺産検定のテキストは写真がたくさん載っていて、見ていて楽しいです。海外に自由に行けるようになったら、「行ってみたい」と思う世界遺産がたくさんあります。
世界遺産検定の合格が、就職や転職で有利になることはあまりないかもしれませんが、教養として世界遺産を知っておくと、旅行がとても楽しくなり、興味の幅が広がります。
楽しく旅行できる将来がもうすぐやってくるはずなので、今、世界遺産について知っておくと、その将来をより楽しめるようになると思います。