インテリアコーディネーター試験の出題範囲はとても広いです。馴染みがない名前は覚えにくく、覚えてもすぐに忘れてしまいます。
そこで、勉強の息抜きを兼ねて、小説を活用するのはいかがでしょうか。登場人物の相関関係や時代背景が分かれば、理解が深まり、忘れにくくなります。
インテリアコーディネーターの役に立つ、面白い小説を紹介します。
今回は「リーチ先生」原田マハ(集英社)です。
あらすじ
日本を愛し、日本に愛されたイギリス人陶芸家。美と友情に満ち溢れたその生涯を描く、感動のアート小説!
1954年、大分の小鹿田(おんた)を訪れたイギリス人陶芸家バーナード・リーチと出会った高市は、亡父・亀乃介がかつて彼に師事していたと知る。──時は遡り1909年、芸術に憧れる亀乃介は、日本の美を学ぼうと来日した青年リーチの助手になる。柳宗悦、濱田庄司ら若き芸術家と熱い友情を交わし、才能を開花させるリーチ。東洋と西洋の架け橋となったその生涯を、陶工父子の視点から描く感動のアート小説。
web集英社文庫より引用
バーナード・リーチはイギリス人の陶芸家です。陶芸家なので、建築やインテリアに直接の関りませんが、彼が影響を受けた事柄や、交流があった人達は「インテリアの歴史」に深く関わります。
では、インテリアコーディネーター試験の役立つ点を紹介します。
インテリアコーディネーター試験に活かせるポイント
登場人物
- バーナード・リーチ:イギリス人陶芸家
- 柳宗悦:民藝運動を起こした思想家
- ジョン・ラスキン:イギリス人評論家
- ウィリアム・モリス:アーツ・アンド・クラフツ運動を主導
時代背景、技術・知識など
- 民藝運動:民衆的工芸の保護・育成
- アーツ・アンド・クラフツ運動:職人による手仕事を称賛
- 陶芸の知識
- エッチング(銅版画)の知識
まとめ
著者の原田マハさんは、ニューヨーク「MoMA」のキュレーターをされていた方なので、芸術に関する知識が豊富です。
そのため、民藝運動やエッチングの説明など、芸術に関する説明がとても分かりやすいです。
また、高村光太郎や志賀直哉など教科書に載っていた人物や、印象派の画家など、見たことがある名前がたくさん出てくるので興味を持って読み進めることができます。
なにより、登場人物たちが理想を求め、熱意をもって芸術を探究する姿に胸が熱くなります。
400ページを超える分厚い本ですが、気分転換にいかがでしょうか。