基本構造
イスは「座」「背」「肘」「脚」からなります。
座(ざ)
座枠を組んだ上か、合板の上に、張り加工をするものが多いです。
背(せ)
笠木(かさぎ)、背柱(背束)、背板(背もたれ)、背貫などからなります。
肘(ひじ)
肘掛け、束(つか)からなります。
脚(あし)
前脚、後脚、貫(ぬき)からなります。
張り材
張り材は大きく分けて、「上張り材」「クッション材」「衝撃吸収材」があります。
上張り材
イスの上張り材は、インテリアの雰囲気づくりに重要な役割を持っています。
- 繊維織物:平織(緞子織、ゴブラン織)、パイル織など
- 天然皮革
- 合成皮革など
様々な素材が上張り材として使われ、防炎・難燃処理、防菌防臭加工、撥水加工などの機能を持つものもあります。
クッション材
- ポリウレタンフォーム:弾力性があり、加工しやすく、軽い。一般的。
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- 合成繊維綿・綿
- パームロック:パーム(ヤシの実から取った繊維)を接着剤や合成ゴムで固めたの
- ヘアーロック:動物の毛にラテックスを混ぜたもの
- 羽毛・羊毛
衝撃吸収材
- セットスプリング:コイルスプリングを鋼線にセットしたもの
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- ウェビング(エラストベルト):細いゴムを糸で巻いてベルト状に織ったもの。
- スネークスプリング:S字のスプリング。ソファでよく使われるスプリング。
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張り加工
イスの座や背の加工方法に、「薄張り」「厚張り」「あおり張り」「カバーリングシステム張り」があります。
薄張り
クッションの厚みが20mm程度で、「皿張り」「落とし込み張り」「張り込み」があります。
皿張り:薄いパーツを鋲(びょう)などで取り付ける
落とし込み張り:座や背にパーツを打ち付ける
張り込み:パーツを座枠に巻き付ける
厚張り
クッションの厚みが50mm程度です。
あおり張り
座枠の上に、巻き数の少ないスプリングをつけて、ヘッシャンクロスで覆い、その上にクッション材を被せて上張りで仕上げる方法です。
最もクッション性が高いのです。
カバーリングシステム張り
上張りを本体から取り外せるようにした加工です。ファスナーなどで固定します。食べこぼしなどの汚れ対策として選ばれます。